胎児
- 胎児診断治療センターを併設し、胎児診断に積極的に取り組んでいます。多診療科での胎児カンファレンスを行い、治療方針を決定しています。
- 脊髄髄膜瘤、嚢胞性肺疾患、双胎などに対する胎児治療も行っています。
- 出生前から出生後まで、多職種連携により、シームレスに高度医療を提供しています。
胎児診断
産婦人科や小児科と連携して、胎児期からの診断を行い、出生前から治療計画を立てます。出生前からの病状説明を外来で行い、ご家族に寄り添った医療提供を目指します。
胎児治療
当院では、複数の疾患に対しての胎児治療を行っています。小児外科医も胎児診断治療チームの一員として関わっています。
【主な治療内容および適応疾患】
- EXIT(ex utero intrapartum treatment)- CHAOS、頸部奇形腫、リンパ管奇形、上顎体などの気道閉塞を起こすリスクが高い胎児に対して帝王切開による分娩時に、臍帯を切り離すことなく臍帯の血行を確保しつつ、安全に胎児に処置(主に気道確保など)を行う手技です。
- 胎児鏡下気管閉塞術(FETO) - 先天性横隔膜ヘルニア
- 胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)- 双胎間輸血症候群
- ラジオ波焼灼術(RFA)- 無心体双胎(TRAP sequence:トラップシークエンス)
- シャント術 - 胎児胸水、下部尿路閉塞(LUTO)
- 胎児手術 - 胎児脊髄髄膜瘤、先天性肺気道奇形(congenital pulmonary airway malformation: CPAM)
- 胎児輸血 - 胎児貧血
- 超音波ガイド下穿刺 - 胎児胸水、胎児卵巣嚢腫
- 胎児薬物治療 - 胎児頻脈や胎児徐脈症例、妊娠34週未満で早産となり得る症例
- 羊水注入 - Potter症候群など、胎児の腎疾患、尿路疾患による羊水過少、原因不明の羊水過少、早産期前期破水の症例で、妊娠継続をする場合
脊髄髄膜瘤
脊髄髄膜瘤とは
脊髄の発生過程で生じる病態で、腰部や仙尾部で皮膚や骨が閉じなかったために、脊髄が体表で露出している開放性二分脊椎症状の一つです。そのために、キアリII型奇形と呼ばれる小脳虫部の一部、延髄などが下垂してしまう病態や、水頭症を生じるほか、露出した脊髄神経の損傷により下肢、膀胱、直腸肛門をつかさどる神経機能が低下します。
治療について
当科では、産婦人科・脳神経外科・小児科などと連携して、2020年4月より臨床研究として「子宮開放胎児脊髄髄膜瘤閉鎖術」を本邦に初めて導入し、現在も引き続き行っています。妊娠19週0日〜25週6日の間で、病変部位が第1腰椎から第1仙椎レベル、キアリ奇形を伴う胎児が対象となり、母体に全身麻酔を行い、開腹、子宮切開を行います。子宮切開創から胎児の背中の一部露出させ、脊髄髄膜瘤の修復術を行い、胎児を子宮内に戻した後、子宮を縫合、腹壁を縫合し妊娠を継続するという手術です。この手術により、生後に水頭症やキアリ奇形の改善、下肢の運動機能の改善が期待されます。
詳しくは、胎児診断治療センターをご覧ください。
当院では、二分脊椎専門外来を開設しており、出生から出生後までシームレスな医療の提供が可能です。